家づくりの基礎知識

マンションの“音問題”をリノベーションで解決!防音リノベーションのポイント #家づくりの基礎知識009

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理想の住まいをつくりませんか? きづき屋に相談する

マンション生活での悩みの一つが「音問題」ではないでしょうか。近隣の生活音や騒音が気になることはもちろん、こちらの生活音が近隣の迷惑になっていないかも心配ですよね。せっかく自分好みの住まいにリノベーションをするのだから、間取りやデザインだけでなく、防音面も考えたリノベーションプランを作りたいところ。

そこで今回は、マンションの“音問題”をリノベーションで解決するポイントをご紹介します。

「生活音」ってどんなもの?

柱や梁、床、壁が鉄筋とコンクリートで構成されているRC構造のマンションの場合、機密性が高く木造住宅などに比べて音が伝わりにくいため、騒音の心配は少ないといえます。

とはいえ、上下左右に居室が隣接している集合住宅である以上、生活音の影響を完全に防ぐのは難しいもの。また、築年数の古いマンションの場合は、最新のマンションに比べると音が伝わりやすいこともあります。

日常生活で発生する生活音の種類は?

「生活音」に該当するのは、次のような音です。

・日常会話

・足音

・家電製品の音

・ドアの開け閉めの音

・音楽やテレビの音

・子供の遊び声

・ペットの鳴き声

こうした生活音のうち、日常会話や音楽・テレビの音、子どもの遊び声、ペットの鳴き声などは空気を伝わって聞こえてくる「空気音」と呼ばれます。それに対し、足音や家電製品を使用音、ドアの開け閉めの音などは、振動が建物を伝わることで聞こえる「固体音」と呼ばれます。

空気音は防音効果のある断熱材を使ったりフロアマットを敷き詰めるなど対策次第で軽減することができますが、固体音に関しては構造上の問題もあり軽減するのは簡単ではありません。

こうした生活音は突発的なものではなく毎日繰り返されるものなので、近隣住民とのトラブルに発展しまいかねません。

リノベーションでできる防音対策のアイデア4つ

マンションリノベーションで防音対策を行うには、どのような方法が効果的なのでしょうか。

1. 防音効果のある断熱材を使用する

断熱材に防音効果のあるものを使用することで、日々の生活音を軽減することができます。

防音効果のある断熱材として知られているのが「セルロースファイバー」。さまざまな太さの繊維が絡み合った素材を壁の隙間に吹き付けることで、音を吸収し音の伝わりを抑える効果があります。専門技術を要することもありコストは少し高くなりますが、防音・遮音だけでなく断熱効果も非常に優れているので冷暖房効率の向上も期待できるので、長い目で見れば家計節約にもつながります。

2. 吸音・防音シートの使用

防音機能のある床材を使ったり、床材の下に遮音マットを敷くなどの方法で床から伝わる音を軽減するのも効果的です。家族が集まるリビングやキッチン、往来の多い廊下、子供部屋など音が気になる部屋だけに施工するなども可能なので、リノベーション会社に相談し予算に合わせて提案してもらうのもいいかも。

3. 壁の層を厚くする

壁材の層が薄いことによって近隣に音が伝わりやすい場合もあります。その際は、既存の壁に新しい壁を設置して厚みを増すことで、音漏れを防ぎ、音が伝わるのを防ぐことができます。

リノベーション業者によってはこうした工事経験が少ない場合もあるので、リノベーション会社の担当者と十分相談しながら進めることが重要です。

4. インナーサッシの取り付け

自分たちが出す生活音だけでなく、外部からの騒音に悩まされることも多々あります。近くに幹線道路が走っていたり大規模な商業施設があったり、学校や公園など人が集まる場所が近い場合は、窓をぴっちり閉めていても音が室内まで伝わってくるものです。

マンションでは、窓は「共用部」にあたるためリノベーションで窓そのものを取り替えることはできません。そこで有効なのが、インナーサッシの取り付けです。

インナーサッシとは既存の窓の内側に新しい窓を取り付ける方法で、二重窓の効果を発揮します。比較的コストも低く、外部からの音を遮断する効果に加えて断熱効果も高くなります。

リノベーションで防音対策を行う際の費用と注意したいポイント

リノベーションで防音対策。費用はどのくらい?

防音対策を取り入れたいけれど、費用面も気になるところ。リノベーションで防音対策を取り入れる際の一般的な費用目安は以下です。

・セルロースファイバーの施工:1㎡あたり3,000円〜5,000円

・吸音・防音シートの施工:1㎡あたり2,000円〜4,000円

・壁を増設する工事:1㎡あたり5,000円〜1万円

・インナーサッシの取り付け工事:窓1枚あたり5万円〜10万円

施工費用は物件の状況や施工範囲によって大きく異なります。予算内でどの程度の防音対策が可能か、どの部屋にどの程度の防音対策が必要かを考えて、リノベーションプランを進めていくことが重要です。

近隣とのコミュニケーションでトラブルを回避

集合住宅である以上、住民同士の生活音はどうしても避けられません。トラブルにならないためにも、普段からご近所の方々とコミュニケーションをとっておくことも大切です。

新たに物件を購入し、リノベーションしたあとに住む場合は、引越しの際に近隣への挨拶を欠かさず行いましょう。その際、「子どもがいるので騒々しいかもしれませんがよろしくお願いします」や「ペットがいるのでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんがよろしくお願いします」など、一言添えるだけでも印象が大きく変わります。

また、今住んでいる物件や所有している物件をリノベーションして住む場合も、工事前には近隣への挨拶を忘れずに。リノベーション会社や工事業者が施主に代わって挨拶を行ってくれる場合もありますが、実際に住む本人が直接挨拶に出向くほうが、お互いに安心できてスムーズにご近所づきあいを進めることができます。

また、洗濯機や掃除機など音が気になる家電の使用はなるべく日中にする、夜遅くは音楽やテレビの音はできるだけ小さくするなど生活時間帯による配慮もトラブルを回避するポイントといえるでしょう。

リノベーションで“音問題”を軽減!

機密性の高いマンションは基本的に騒音の心配が少ないものですが、リノベーションの際に防音対策を行なっておくと、より安心・快適に新生活を始めることができます。

YOieを運営するクリエイティブ不動産「きづき屋」では、中古マンションの物件選びからプランニング、施工まで、一貫したリノベーション工事を手がけています。

狭い物件や制限のある物件でも、視点を変え、物件が持っている可能性に “気付き”、価値のあるものへと変えていくことを得意とし、つい友達に話したくなるような住む人の想いが詰まった家づくりで、楽しみながら暮らす人を増やすことを目指しています。

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YOie編集部

執筆 YOie編集部

「デザイン思考」で家づくりをする、きづき屋のメンバーたち。クリエイティブな視点で独自のお部屋づくりのお手伝いをいたします。

浅井一樹

監修 浅井一樹

クリエイティブ不動産 きづき屋 代表取締役
「不動産業界をもっとクリエイティブに」をコンセプトに、物件選びからプランニング、施工まで、一貫したリノベーション工事を手がけています。狭い物件や制限のある物件でも、視点を変え、物件が持っている可能性に “気付き“、価値のあるものへと変えていくことを得意とし、つい友達に話したくなるような、住む人の想いが詰まった家づくりで、楽しみながら暮らす人を増やすことを目指しています。